ガンダムUC(下)

機動戦士ガンダムUC 2 (2) (角川コミックス・エース 189-2)Book機動戦士ガンダムUC 2 (2) (角川コミックス・エース 189-2)


著者:福井 晴敏

販売元:角川書店
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 下巻読了。
 直球、ど真ん中だけど面白い。
 往年のガンダムの流れを踏襲しているというか……。

 どこか閉塞感にとらわれている男の子が、
 モビルスーツという力、ユニコーンの謎に邂逅し、
 そしてその上で父と遭遇、ガンダム起動という流れ。
 ファーストガンダムに似たモチーフを使いつつ、
 新しい要素をふんだんに取り入れていると思います。

 特に連邦側のミスで呼び込んだ戦いなのに、最終的に
 バナージもオードリーもネェル・アーガマに収容される。
 恐らくライバルキャラ? なリディがどう動くのか。
 そして、シャアリスペクト仮面の陰謀とは?
 気になる展開を残しつつ次回へ…。

 いや、しかし、ユニコーンのシステム起動時の描写は、
 かなりキましたね。
 下巻のとき言ってた拘束具ほんとに引きちぎるし。

 ユニコーンの角が左右に展開し、
 Vの字アンテナになるところなど、唸ってしまいました。
「全身がサイコフレームでできているだと…!」 
 という超機体描写が、濃密なリアルSFの中にあって、
 案外にすんなり入ってくる。
 
 ガンダムの設定という事前要素があることにくわえ
 モビルスーツと紛争がある日常を十分に描いた後と
 いうことがあって、ユニコーンがどれだけ奇な存在かを、
 十分に描写できているためだと思います。

 しかし気になるオードリー・バーン
 「名前がいらない」「美女の名前」等の伏線から、
 こいつが偽名であることは確実なわけですが…。
 さて気になるその正体は!

 ネェル・アーガマというZZの忘れられた戦艦を
 引っ張り出してきたのだから……。
 ZZに描写されていても、忘れ去られた、
 後の物語のない人が絡んで来るんではなかろうか。

 そうすると、これはもう一つの『逆襲』物語に成り得る。
 そんな期待が膨らむお話です。

・追記
 そういえば、なんでUCの年代設定が0096なのか、
 と気になっていたが、こういう筋ならば納得。
 3つ違いだったけね。