イクストーヴァの一番長い日
リリアとトレイズ〈4〉イクストーヴァの一番長い日〈下〉 著者:時雨沢 恵一 |
最近すごい勢いで活字を読んでます。
主にラノベとウィキペディアで。
仕事が谷間なので、純粋に暇なのです。
しかしちょいと気を抜きすぎたか、同僚と話をしていたら、上司に怒られました(汗)。
まあ、バイトの身分というのもあるんですが、そして、ここでもなんですが一言。
上司さん、あんたの仕事はスケジュール通りにいってれば今日はもうある程度終わってるはずの仕事だろ? 気を使わなかったこちらは悪いし、押している事情はわかるけども、ただの八つ当たりはするな。むかつくとかの問題より先に、上司としてつまらんから。
さて!
本当につまらない話はやめて、リリアとトレイズです。
3、4巻(上下)読了。
今回の話は、かなり前作アリソンの影響が強い話だったようで、一部わからない部分というか、背景情報がないと理解に苦しむ話がありました。しかし、それでも一応ストーリーを読ませるのはさすがといったところ。以前レビューした阿智さんとは違った意味で、「ラノべ」というジャンルの中に一つの概念を構築した方ですからね。
前の話を蒸し返すようで悪いのですが、こちらは結構テックレベル・文化レベルともにわかり安くて、素直に物語りに入っていける感じです。案外設定は細かいところで作りこまれていて、それなりに豊富なんですが、それを負担に感じさせない。まあ、代わりにあとがきで9パラとかについてとかごちゃごちゃ書いてましたが。本来は語りたくて仕方ないんでしょうが、抑えて抑えて、あえて作品の中に練りこまないように苦心している感じがしました。それも技術だよな、うん。
最終的にリリアとトレイズの二人に話が集約されるせいもあって、お話も安定して読めますし。ただ、ディープさとか物語における意図というか、そういった部分は少ないですか。とはいえ、最後に歴史にからめたり、こまかな伏線やトレイズのひらめきが面白かったりと、あきさせないつくりになっています。
実は「学園モノであるにも関わらず、学園外での少年少女ラブコメ(ボケツッコミ?)主体」とか「微妙なヘタレ王子さまと気丈な庶民の女の子」という、今までの王道ラノベ展開のアンチ――あ、後者はあるかなぁ――をやっているところも、また興味深いところです。『リリアとトレイズ』はそういうアンチ的なところから作られたのかなぁという邪推も……。
まあ、それはともかく。
ラノベってのは『安心して読める』というのは、やっぱり強いんだなぁとしみじみ感じた作品です。隠されたメッセージとかを掘り起こすのも楽しいですが、安定感というのも、一つ重要なんですねぇ。ただ、読み終えたところで「もう一声!」と思っている自分がいることは確かだったり。
結局俺は何が読みたいんだろ?
って、そこまで行き着くか。