ウルトラセブン最終話「史上最大の侵略(後編)」

 というわけで、ついに最終話のMXテレビセブン。

 参謀が言ってたとおり「ゴース星人による世界人口を盾にした史上最大の侵略」ということだったわけですが、前回、「侵略はセブン自身に対してのもの」という考えを示した者としてはやっぱりそこに何か意味を見出したくなる。だって、史上最大と銘打つ割には、前回も書いたとおりパンドンは微妙だし、実はゴース星人もあれだけのことをしておきながら、結果ただ基地ごと吹っ飛んでしまって、最後の局面にからまないのです。

 じゃあ侵略とは何か?
 僕の感想としては、それは「ウルトラセブンの領域とモロボシダンの領域の侵略」ではないかと思うのです。ウルトラ警備隊と共にいるときは、彼は人間モロボシダンなのですが、ふと、異常に接した――たとえば、異星人と直接接触したり、人間の行動が不自然だったり――そのとき、彼は「M78星雲人」なのです。
 ウルトラセブンのドラマ性とはまさにそこで、その、人間の領域と異星人の領域が描写されるところにあると考えられます。特に散々言った「超兵器R1号」の出来や、「盗まれたウルトラアイ」などは、彼の異星人性が強く出た作品であり、また逆に「第四惑星の悪夢」「ノンマルトの使者」などでは、異星人の面を出しつつも、どちらかといえば人間性の部分が強めに描かれています。

 この最終話は、最初で最後の、その境界の危機なのです。ついに、セブンとして戦うために、モロボシダンの領域を捨てる覚悟をしなければならないのです。
 しかし、結果、彼はアンヌに自分の正体を理解してもらえ、隊員達もそれにつづいて、セブン=ダンとして戦い抜きます。こうして、モロボシダンの領域は守られたのです。最後のシーン、空へ飛んでいく光をバックに、笑顔で戻ってくるダンの描写が重なるのは、まさにその体現と言えるのではないでしょうか。

 そういう意味では、最終話は『メビウス』に似ています。仲間の力で、彼は最後の居場所を残したまま、セブンになることが出来たのですから。

 さて、では『ウルトラマンが神』だとするならば、セブンは何か?
 というところ。
 これは極めて難しいのですが……あえて言うなら、『セブンは、人であろうとした神』? やや安直ですが、やはりこれがしっくり来そうな気がします。最大の戦いのモチーフが、人と異星人とのせめぎ合いだとしたら納得できますし、何より、ウルトラマンのような憑依タイプではなく、異星人自らが人間の姿をしているという設定からも、それは感じることができます。

 しかしなぁ……自分で出しといてなんですが、引っかかるんだなぁ。なんというか、あっさりしすぎ。もう一ひねりできそうな気がしてなりません。今回の文章が前回のセブンレビューのように「だ、である」調でないのも、まだもうちょっと踏み込めるんじゃね? という疑念と自信のなさから来ているところもあったり。
 もうちょっと頭を冷やしてから、このことについては書いてみましょうか。うーん、のびのびになってすいません。他にセブン見たことある方、意見などあればよろしくお願いします。

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 さて、今後の東京MXテレビ円谷劇場。
 初代マン→怪奇大作戦ときてセブン、次は帰マンか!
 と思ったら、

 来週からこの時間は『ミラーマン』をお送りします

 斜め上を行かれた。

 しかし、あの豪快な切断技が、毎週見られるのは楽しみです。
 今だ! キックを放て! 目だ!