エアリセ

エアリセ 1 (1) エアリセ 1 (1)

著者:榎宮 祐
販売元:メディアワークス
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 カバーに騙されるな!
 ウサ耳ロリっ子という狙いすぎな外見とは裏腹に、中身はマフィアやマットサイエンティストと銃撃戦を繰り広げる物語です。マジで。
 うむ、この話、オレ好みだ!

 さて、実際の内容ですが、永遠のときを生きる妖精エアリセと、それに関わる人物という構成で進んでいきます。ハードボイルドのマフィア編か前半で、後編は近未来。バイオテクノロジーの申し子となり、死んだ妻をよみがえらせようとする狂人と、エアリセ、そしてエアリセの存在を知る少年との話になります。
 話の運びは上手いです。かなり面白いレベル。

 しかし少々絵が難点。
 巻末あとがきで作者も語ってますが、もともとイラストレーターさんということで、コマ割りと漫画絵に慣れていない感じがします。一番強く、大きく見せて欲しいコマが描写控えめだったり、絵を一枚一枚繊細に書こうとしすぎているのか、キャラが動くコマだと少々それが裏目にでて荒く見えてしまうのがちょっと残念です。

 しかし、『スピードグラファー』も『極上』もそうだったんですが、「魅せコマ」を大きくしないのは、メディアワークス漫画の癖か? 電撃大王、gao共に月刊ということもあり、完全先割りで+付録とかで攻める作り方をしてますから、ある程度安定したペースで作家さんが書いてしまうというのも原因としてあるのでしょうかねー? でも『ガンスリ』はその点上手いしなぁ……。

 漫画事情は良く分かりませんが、いわゆる「魅せコマ」をぐっと決めてくれる作家さんは、週間連載漫画に多い気がします……。まあ、数をこなしているという根本的な理由もあるんでしょうけど。むしろそれが大きいのか。