リリアとトレイズ

リリアとトレイズ〈1〉そして二人は旅行に行った〈上〉 リリアとトレイズ〈1〉そして二人は旅行に行った〈上〉

著者:時雨沢 恵一
販売元:メディアワークス
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 さーて、久しぶりに読んだラノベは……こいつです!
 でも前作にあたる『アリソン』シリーズは読んでません! じゃーんじゃーん。

 でもとりあえず話としては独立して読めるように配慮がなされているので、全然オッケー。
 
 とりあえず、一読した感想。
 二人コンビで動かしっぱなしってのは、単調に見えて意外に面白いなぁと再認識。
 いわゆる刑事コンビモノのノリで、それを、リリアとトレイズという少女と少年でやっている。この手のタイプの映画を見たことがある人ならわかってもらえると思うんですが、「事象→コンビのノリ突っ込み」っていう流れで2人だけのシーンを繰り返しても、案外飽きないんです。もちろんこれは、掛け合いの上手さを要求させられるので、なかなか難しいんですけどね。

 以前ヤネウラ先輩にクレギオンで遊んでもらったときも感じたんですが(余・こないだはメイジどうもでした。楽しませてもらいました)、二人でシーンの中を動き回るあの軽快さというか、軽口を叩き合う連携というかが、面白いんですよね。このリリアとトレイズでも、それをしっかりとやっていて、読み応えがあります。会話のツッコミ具合と、掛け合いは小気味良いです。『キノ』は未読ですが、『学園〜』なんてものを投入するあたり、時雨沢さんは抑えるポイントをきちっと抑えるのが上手い作家さんなのかなぁ、と思います。

 とはいえ、ちょいと違和感を覚えたのは、導入である程度の要素はばら撒いているのですが、リリアという少女の性格がつかみにくいこと。
 トレイズは、背景情報もからんで「振り回されやすいけど、芯はしっかりしている若者」と解釈できるんですが、リリアは――とりあえず「気が強いしっかり者」と思わせつつ、だらしないところもありつつ、偏屈でありつつ……というちょっとわかりにくい性格です。まあ、読みすすめていく上でわかることかもしれないのですけど、年頃の女の子だから、ではちょっと言い切れないような不安定さがあります。

 うーん、まあだからこそリリアは人っぽいともいえるのですけど、その観点でいけばトレイズが変な存在になるしなあ……。

 まあ、面白かったので、続巻買って読みすすめてみます。
 その上でわかることもあるだろうし。

 アリソンは……。
 まあ時間があれば。とりあえずラノベなら、ポッケに忍ばせて暇な時に読むとそれなりの速度で読めることがわかったので。