俺的アニメレビュー第10〜7位!

 そんなわけでいきます!
 長々書くのも微妙なので、さっさと第10位から参りましょう!

10位:『蒼穹のファフナー
原作 XEBEC  
監督 羽原信義
企画 大月俊倫、下地志直
シリーズ構成 山野辺一記冲方丁(16話〜)
脚本 山野辺一記(1話〜11話)
山野辺一記冲方丁(12話〜15話)
冲方丁(16話〜)
 
 見ての通り、脚本家の交代劇が行われた『響鬼』みたいなアニメ。
 
 原作が冲方さんということもあり、かなり細かい設定が「俺式エヴァ」といわんばかりの、少年が乗り込むロボットvs未知の奇形生命体をベースに作りこまれています。
 また、日本がすでになく、日本人の生き残りが一つの島で暮らしており、その島が武装基地になっているという設定も単純ながら熱かった。ロボット=ファフナー(爬虫類を思わせる形状、神話のファフニールから来た名称とのこと)に乗り込むことになる子ども達は何も知らず日本がまだあると思って暮らしており、大人はすべからく事情をしっている研究員か戦闘要員。急に喫茶店のオッサンとかが戦闘機に乗ったり、商店のおばちゃんがパソコンを叩いてデータ分析を開始する一話目は、あっけに取られました。

 正直、作品の流れとしては前半単調、後半は設定と勢いというぐだつき加減も見せてはいます。しかし上記のような設定にくわえ、剣を敵に刺すと、刀身が二股に裂けてエネルギー弾を打ち込んだり、カッターナイフ状のナイフを突き刺して折ると、敵内部に残った刃が爆発するなどといったギミック、ファフナーの流線的デザインから10位にランクインしました。

 また「輸送機のパイロット」「シブいオッサン」「戦いに悩む若者を叱咤激励」といういわゆる『死にフラグ』を立たせまくりながらも、ことごとくかいくぐって最後まで生き残った「死にフラグブレイカー」の存在も、僕の中では大きいかったり。

第9位:ぱにぽにだっしゅ
監督 新房昭之
企画 田口浩司・大月俊倫
シリーズ構成 金巻兼一

 最近僕のブログに頻出する、白いネコ神とオオサンショウウオを生んだ伝説のアニメ。
 基本的には一話完結のギャグアニメであり、時空が歪んだりするのはもちろん、実はキャラクターたちがいるのがテレビのセット上であったり、急に絵が昔のファミコン調になったりする。とにかくわけがわからないまま一話おわり、また何事もなかったかのように次の話が始まる。このわけのわからなさと、無駄に高い水準の作画クオリティがこの作品の楽しみどころ。

 教室の背景に多用される黒板・掲示板、町の看板などには、明らかに勢いで書かれたとしか思えない、分かる人にしか分からない単語が羅列されている。中でも最終話付近で書かれたスタッフの一人一言で「このアニメのおかげで作画の腕があがりました」と小さく書いてあったりしたのが印象深い。

※ちなみに同じく新房監督が手がけたアニメ『ひだまりスケッチ』では、色が違うとはいえ明らかにメソウサと思われる生き物が背景を通過したり、エンディング後のキャッチ絵が原作漫画「ぱにぽに」の氷川へきる氏だったりしている。

第8位:.hack//SIGN
原作:Project .hack
監督:真下耕一
シリーズ構成:伊藤和典
キャラクター原案:貞本義行

 あー、8位の時点でもうこの活字量か。分けて正解でした。
 ともかくドットハックの、G.U.でないほう。
 人間とネットワークゲームとの世界を描くアニメ。
 とはいえ某ROアニメのようなアクションに富むものでなく、ネットゲーム「ザ・ワールド」にログインしたまま、人間世界に戻れなくなるという未知の現象を経験している主人公、司の謎を解くために、人物達がインターネット上で、あるときはリアルで情報収集を行い、謎を解いていくミステリー風味に仕上がっている(アニメはゲーム内でのことのみ描かれ、リアルの情報をゲーム上で交換するというような段取り)。

 物語の展開がやや単調な作品であるとはいえ、それがむしろ「ネットから戻ってこられない」現象の不気味さ、ミステリアスさをかもし出している。むしろ『マトリックス』などネット世界=現実と違うからなんでもできるという「開放」のノリでなく、ネット世界を閉鎖した牢獄であり、未知の宇宙として描いたことは、非常に興味深い。

 あとエンディングのSee-Saw「優しい夜明け」もお気に入りの曲。某SEEDの曲より、こちらのほうが断然好き。それと声優の名塚さんのファンになったのもこのあたりからだったりするがそれはまた別のお話。

 
第7位:よみがえる空
監督:桜美かつし
シリーズ構成:高山文彦
脚本:高山文彦水上清資

 自衛隊航空救助隊の活躍を描いた本作。
 主人公は戦闘機乗り志望のところを、ヘリパイロットとして、救難活動に向かうことになる。が、そこで様々な苦難にぶつかっていく。

 今まで紹介した3作品とは一線を画し、こちらはリアルヒューマンドラマ。
 そのドラマ性、そして、ヘリなどのメカニックのCG技術は感嘆モノ。

 ただ、以前語ったとおり、必ずしもアニメでやるべきか、といったらそうかなぁというのも僕の中であり、微妙な位置づけとなった。もちろんアニメとしての完成度も非常に高いし、アニメだからこの良作になったというのも十二分にわかるのだが、人物描写ならまだしも世界もリアル現代で、特筆すべきところがないのに、何ゆえあえてアニメという空想科学や夢物語向きの媒体を選んだのか? という疑問が引っかかってしまった。まあ、あえてこの路線で! という制作側の心意気はびんびん伝わってきたので、それでいいのだろう。

 ストーリー中盤、墜落したF15Jのパイロットを忍んで、好きだった曲「ひょっこりひょうたん島」を無骨なオッサンが無表情でマイクを握り歌う→そのままエンディングロールの流れはかなり印象深い。もちろん通常エンディング影山ヒロノブ「エンブレム〜名もなき英雄達へ〜」も名曲。

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 以上!
 10位〜7位まででしたー! 長えよ。
 きっつい。思いのほかきっついぞこれはー。

◎本日のランク外コレ一本!:フタコイオルタナティブ
監督 逢瀬祭
シリーズ構成 金月龍之介

 なんでか物凄いアクションクオリティをもって作られた話。
 本来のフタコイは単なる双子萌え物語なのだけれど、こちらはふがいない青年とある双子を軸に、ほかの双子ヒロイン達とのシリアスなドラマを展開して――最後には旧日本軍の遺産である怪人イカファイアーと死闘を繰り広げるという、ベクトルの違うテンションの高さを見せ付ける話。

 繰り返すが、無駄にアニメのアクションクオリティが高い。
 ただの萌え派生トンでもアニメで終わらせるにはもったいないものではある。

 ちなみにコレといいメディアワークス原作アニメはなにかとクオリティ重視し 『かみちゅ!』『まなびストレート』などのようにいい動き・安定した絵を見せるものと、『いぬかみっ!』『無印フタコイ』のように微妙なものに大きく二分されたりする。