装甲騎兵ボトムズ コマンドフォークト

装甲騎兵ボトムズコマンドフォークト 〜群狼邂逅〜 装甲騎兵ボトムズコマンドフォークト 〜群狼邂逅〜

著者:野崎 透
販売元:ホビージャパン
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 はじめて買ったHJ文庫は、ボトムズでした。

 というわけで、コマンドフォークトです。
 キリコ不在ということで、どのように書かれているか気になったのですが……。

 うーんと、なんというかちょっとヒロイックすぎ? という印象。

 ファッティーとはいえ、スコープドックで8機相手にして無傷で倒したり、トータス部隊で同じくファッティーの群れを蹴散らすというのは、ちょいと微妙。強さ修正がかかってる気がします。まあでも、メロウリンクなんていう、生身でロボット倒す奴いる世界だし……。ああ、でも若きエースパイロット、「レーン」の乗機がトータスだったのは、結構面白かった。パイロットごとのエピソードをオムニバスに紹介していく形式なので、こんどビートル系に乗る奴の話も読みたいなぁ。あ、カンユーだ、カンユーを呼べ。
 
 文章自体は比喩がなかなかさえているのですが、文の並びや、同じ表現の繰り返しに辟易させられるところも、まあ、ボトムズの世界は一撃当ったら終りみたいなところがあるので、どうしても戦闘中だと、近くで爆発が起こるシーンとかが多くなりがちなんで、わからなくはないですが。
 
 作品としては、ボトムズ好きならオッケーという感じでしょう。
 ロシア圏を彷彿とさせる凍土の上での戦いは「凍土が溶けて、増水したために隊が分断された」とか「よし、もっと地面が固まってから進軍しよう」とか、なんというか、泥臭い戦術的台詞にあふれていて、恐らくミリタリー好きな人も大丈夫……って、ボトムズ好きな人は、総じてミリタリー的なものも好き……とは行かないまでも、そっちにも勘が働く人だとは思うのですけどね。