ヒビキのマホウ

ヒビキのマホウ(1)

角川書店
依澄 れい, 麻枝 准

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 というかですよ。

 タイトルで検索したら見事に「仮面ライダー響鬼」と「魔法戦隊マジレンジャー」が出てきたわけですよ。

 初版発行は2005年8月、か。同時期だからねぇ。



 しかし、keyの麻枝准さん&依澄れいさんとは角川も豪華なメンバーを使ったものです。



 しかし、依澄さん、『.hack//黄昏の腕輪伝説』(通称うで伝)かいてたときよりも、全体的に絵がまるっこさを増したという感じ。線が細くなったせいか……? 

 イラスト書きさんで、時間を置いて線が細く書き込むようになる方は、当初の勢いが無くなっていることもある(例えば藤島康介さんとか、後期の桜野みねねさんとか)ので、ちょいと不安ですが、依澄さんはもともとがそういう味なせいか、むしろよい安定を見せている感じです。



 お話は……駄目だ。ヒビキとカタカナで書かれると、しかも呪文での得意分野がマホウジンとか言われると、もう魔方陣を相手に打ち込んで、バチでドンドコやる絵面が……(苦笑)。

 ということを、想像させるほどでした。

 

 わかりやすく具体的に結うと「そんな変な光景を想像する余地があった」≒「面白くはあったけど、作品にのめりこませてくれるほどではない」といったところでしょうか?

 「純粋な少女の心が、最後の決め手」というのは王道ではあるんだけれども、ねぇ。予定調和すぎてちょいと単調に感じてしまうのです……あ、いや、別に少女を汚したいとかそんな感情は無いので誤解をしないでいただきたい。



 ようは、もう一つ面白い演出があればよかったという印象。

 そういう意味では巻末の外伝は面白かったけども、本編にとってつけた感じでこれはこれで少々気になるところです。

 あ、ホムンクルスシンドローム的な考え方の魔法使いとかは面白かったなぁ。やっぱり魔法がある世界って、きっと人格も僕らの想像できない人が存在するに違いない、とそう思わせてくれたエピソードです。

 とはいえオチが「いい話」の域を超えなかったですね。もう30度ほど捻りをいただきたいところでした。



 んー、そんなわけで、よくも悪くも安定した漫画です。

 まあ、損はないです。王道のほんわか少女モノを楽しみたい方にはお薦めです。特に、大学時代同輩の邑上殿あたりには。





 あとキャラクターの一人である「シイちゃん」は先述の『うで伝』でちょっと見たことがあるような……。