キラー悪魔な少女の話

侵略する少女と嘘の庭

メディアファクトリー
清水 マリコ, toi8

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 というわけで今回はMFJ文庫の『侵略する少女と嘘の庭』です。

 イラスト、『ディスガイア』等でおなじみのtoi8さんなんだなぁ。



 これは再びうどん狐くんからの借り物……だったかな? もはや何をだれに借りたんだか(汗)。悪い兆候です。気をつけてください。



 それはともかく。

 内容は、こういってしまってはなんですがときどきある「トラウマ少女と普通の少年」の話。物語の命題は「難解な行動をする彼女に、彼はどう接し、どう彼女を泥沼からひきあげるのか?」といったものです。



 結論から言うと、やや後半押せ押せでまとめた感があるとはいえ、ちゃんと落とせていると思います。主人公の牧夫の動き、彼からみた視点で進む物語として、きちんと成立しています。あと、ありがちな妙なモノローグを使いすぎなかったのも○。



 とはいえ、後半に出てくる登場人物たちが明らかにお話をたたむための人というのは気になるかなぁ。

 あと、牧夫ふくむ幼馴染4人集もあんまり生きなかった。ヒロインの異常性を示すためだけに「居させた」のかなぁ、と悪い読みかたをしてしまいました。

 

 しかし、物語で重要な小道具がプラモ。

 しかも形式番号『GATX105』というのがなかなか皮肉が利いてていいかんじ。あ、分かる人にしか分からないか(苦笑)。



※注:「the 重箱の隅」



 作中で主人公である牧夫が考え事をしながらテストで数式を解くシーン。

 「(3x+6y)(x2y)=2x+6y」

 となってるんですが、これって答え「2x+8y」では……。

 いや、自分の数学脳も衰えているので、ちょっと怖いのですが。



 主人公の悩みが間違いをさせているという読み方をすればいいのでしょうか? それとも単なる誤植? うーん。