機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (13)

機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (12)

角川書店
安彦 良和, 矢立 肇, 富野 由悠季

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 13巻。でも画像は12巻。

 なぜかアマゾンさんのリンクが検索ででないんだよね。



 さて、ジャブロー編以降、時間を巻き戻してシャア・セイラ編とかいろいろやってきましたが、ついにルウム戦役突入です。

 正直、最初はいままでの流れ、ガンダムエースを延命させる角川の猿芝居だとずっと思ってました。



 いや、しかしいまここに完全撤回します。

 ここまでしっかりやれば、もう完全に一つのサーガですよ。

 いままでガンダムヲタクたちが、偏った知識でつっつきあわせながら想像・妄想を繰り返してきたルウム戦役やら、一週間戦争のこと。ランバ・ラルとセイラの関係。シャアが如何にして赤い彗星と呼ばれるに至ったかが克明に描かれています。



 やっぱり安彦良和氏がやりたかったことって、ここなんですよね。多分。

 冨野氏のニュータイプ論もガンダムの面白い要素であれど、一方で非常に現実離れした、ドリーマーな話なわけです。

 でも安彦氏は、どうやって戦争の中で人が生きるか、なにが人を動かすのかという「戦という状況下でのリアルなドラマ」を魅せたい人なんだという気が強くします。



 それをしっかり出来ている。うーん、スゴイナァ(まあ、ニュータイプ編をやらなきゃならなくなったとき、氏がどう演出するのかなぁ? という不安が同時にあるのですけどネ)。





 ところで、変な話かもわかりませんが、僕個人は、こういうのこそがものすっごく面白いと思うんですが、どうでしょ?

 どうも現代の風潮から行った場合「特殊な状況下でリアルなドラマ」をやるとあんまり面白く見られないという印象が強いです。



 「非日常の中を、かけまわるキャラクター」

 より、

 「非日常の世界を、リアルに生きているひと」



 の物語を僕は見たいんだよなぁ。

 この間の『時をかける少女』とかもそうでしたが、やっぱりそういうのが面白いと思うんですけど……。





 いや、やや話は変わりますけど、僕は英語嫌いなんですが、この間山手線の液晶英語講座で興味深いものを見ました。「funny」と「interesting」の違いってやつです。



 ここを見るような人はご存知だと思いますが、

 前者は「滑稽でおかしい」という意味で、

 後者は「大変興味深くていい」という意味です。



 日本語って「面白い」って言葉でひとくくりになっちゃっているせいでわかりにくいんですよね……。もうちょっとはっきり区別できるといいんですがねー。ちょっと英語がうらやましくなった瞬間でした。

 



 まあ、結局何が言いたいかというと、



 正直、今のメディアで「funny」はもうおなかいっぱいなんですよ。

 「interesting」なものをください。