『時をかける少女』試写会におよばれしました
画像はweb掲載用のものということ。
今回角川さんは「試写会をして、それをブログで紹介してもらう」
という形での広報活動を展開しているようです。
うーん、今のネット社会を上手く利用した方式といえましょう。
ここにまず拍手。
そんなわけで、某大学のサークルの方からお声がかかりまして、行ってみることにしました。
――結果。
あえて点数をつければ85点というところでしょうか。
十分に、「見る価値はあります!」と太鼓判を押せるものであることは間違いないでしょう。
作品の内容としては、原作の十数年後のエピソード。独立したお話なので、原作うろ覚えの方でも安心です。
映像は綺麗だし、よく動きますねー。止め絵を上手く使うのもアニメ、というか映像表現全般の技法のうちなのですが、それをやりつつも背景で心にくい演出がされていたりするのです。
声のほうはやや素人くささがのこるものがありますが、それがむしろ作品とマッチしています。重要な感情表現の部分はしっかりしていますしね。
物語は、よく破綻しないでまとめていったという感じ。
細かな矛盾はあるかもわかりませんが、タイムスリップモノを綺麗に料理してあると思います。
とはいえ、少々残念なところも。
それが以下3点。合計15点の要因となっています。
まずはスタッフの方々が若干かぶっているせいも大きいのでしょうが、スタジオジブリ作品の演出(映像・音楽等)に引きずられた感じを受けてしまったこと。悪印象、とまではいかないまでも、ちょっと見る人が見れば鼻につくかもしれません。
次に、タイムリープシーンでのCG演出が美しくあるもやや派手にしすぎた印象があるということ。
『時をかける少女』はSFでありながら実はそこまで設定をプッシュしないで、物語を見ていくことが出来るのが強みなんですけど、このCGがどうにもSF的で浮いてしまって見える。
綺麗だし、効果は確かにあるんだけれども、ちょっと異彩を放ちすぎか、といったところ。
最後に、オチ。
主人公はタイムリープというものを、よく考えて使うべき力だということに気がついていくのですが、その段階を踏んでいくと最後のオチは少々ミスマッチというか、強引さを感じさせるものでありました。
主人公の心情からしてアリではあるんですが、中盤の人々の動きが印象強いせいか、
「もう一歩踏み込んだエンディングに出来たのでは?」
という意識が頭からはなれません。
うーん、ネタバレ禁止条約があるためにこれ以上は言えないのです。申し訳ない。
ともかく、繰り返しになりますが、見に行って損はない映画です。
興味のあるかたは是非どうぞ!
以下のリンク参照のこと。
角川公式サイト
・追記
とはいえ、見に行った映画館――というか角川ヘラルドさんの試写室なんですが――が、なかなかいい感じ。
50人はいればいっぱいくらいの小さい部屋なので、スピーカーの音響効果による演出(ヒロインが四方八方から声をかけられるシーンや、遠くで電話が鳴るシーンなど)が十分に生きます。
こういう映画館どっかにないかなぁ。
・7/10さらに追記
リンク追加。トラバ機能があんまり調子がよくないです。
ご迷惑をおかけしたらお許しください。公式ブログさま。
・7/11日またまた追記
トラックバック処理どうもでした>公式ブログさま。
未見の方もいらっしゃるでしょうから、一応。
ウチのブログのメディア考察スタンスは、基本的に、
「おもしろいものを、ただおもしろいというほどつまらないことはない」
「つまらないものを、ただつまらないというほどおもしろくないことはない」
をモットーにしております。
そのため、少々理屈っぽく、参考にしづらいものかもわかりません。
また否定的な意見も一部で含みます。
とはいえ、取り上げてこれだけの活字量をもって紹介するということは、
僕が高い価値がある作品と感じて書いているということに間違いありません。
実際に劇場で見る際にちょっと
「ああ、あの偏屈なブログが言っていたのはこのことか」
などと思っていただければ幸いです。
このたびは、不肖私のブログにトラックバックしていただきありがとうございます。
お礼としてコメントトラバ返しをするのが礼儀なのですが、少々遅れる可能性が高いです。
申し訳ありません。ご無礼をお許し下さい。