フルメタルパニック!『燃えるワン・マン・フォース』

フルメタル・パニック! 燃えるワン・マン・フォース富士見書房賀東 招二このアイテムの詳細を見る




 さて、発売当初くらいから追っかけているラノベ最新巻を読了。

 シリーズ500万部突破とか。もう一生食べてけるな賀東さん。

 例によってネタバレ注意。まあこれは雑誌連載もされていたので、それほど怖くはないですが。





 で、本作ですが、いろいろあって日本編終了の後の一作目です。ヒロイン千鳥かなめがさらわれた後、失意の主人公相良宗介が、敵の情報を求めてながれついた辺境の地。そこには人型戦闘兵器アームスレイブ(AS)のコロシアムが……といった展開。

 

 戦いに埋没する自分と、平穏を求める自分の葛藤……。

 そこへ容赦なく襲い来る敵との戦い。

 まだまだ『フルメタ』の作品としての勢いは消えていないなという印象を受けました。 





 しかし一方今作は、いくつかのオリジナル要素や、今まで積み上げてきたものがあるからオリジナリティを感じて読めるものの、昨日もブログに書いた『装甲騎兵ボトムズ』の本編1クール目、通称「ウド編」とかなり要素が被っています。



 治安が荒廃した町、チンピラレベルのクソヤロウ、腐敗した警察機構、バトリング、通常のスポーツバトルのさらに上の実戦――リアルバトルの存在など。それを、ぼろぼろのATスコープドッグならぬ、ASサベージをカスタマイズして戦い抜いていく孤独な傭兵上がり主人公。それを見つめる敵上位組織の幹部……と。

 

 別に、某大衆掲示板にいるような粘着さんのように、似ているだけでパクリとか騒ぎ立てるつもりはさらさらないのですが、ここまで要素を踏襲していると、作者に何か意図があると勘繰らずにおれません。単純に「人型兵器をリアル軍事品に仕立てている」という共通点からだけでは、ここまで近しいモノは生まれないでしょう。



 となると、そこにあるものとは一体……?

 もうちょっと賀東氏がどういう人なのかわからないと推測しがたいなぁ。



 それともあくまでボトムズのリスペクトなのか……?

 最後に三箇所分の地名が出てきたので、今度は「密林の川で商船を焼くバイトをする」とか「砂漠で中年女性に永遠ストーキングされる」とか「変な運命に巻き込もうとした腹いせにコンピュータの引き出しを一個ずつあけていく」とか、そんな展開が!? 

 ……イヤイヤイヤありえない。  





 しかし、単純に設定の部分に関してはすごかった。

 サベージとか、どこのカラシニコフだといわんばかり。

 素敵。