燃えよ特撮魂! 第6回『怪奇大作戦』第三話:白い顔

 これは下の記事への追記である。

 どうしても気になって、この「白い顔」についてひたすら考えてしまったので。



 ネタバレ注意。



 この話は、一人娘を守るために科学者が自らの作り出したレーザー兵器によって近寄る男を焼き殺してしまうというというもの。で、その科学者は過去の実験で顔をヤケドしており、その醜い顔を隠すため包帯を巻いている。

 

 娘へ歪んだ愛を向ける、醜い顔を隠す父親。レーザーという超常的なものこそあれ、ここまでは非常にオーソドックス。王道な展開だ。

 しかし、だから「白い顔」なのだというとそうではないのである。



 彼はレーザー光線における犯行時、わざわざその上に白い面を被るのだ。

 包帯でぐるぐるまきの、偽りの「白い顔」。その上にさらに偽りの仮面の「白い顔」を被る。とりあえず、自分の顔にコンプレックスをもっている科学者の包帯で巻かれた顔が、彼にとっての素顔であり、それを隠した尾だろうとのだろうと想像すればこのあたりはまだ解釈できる。





 しかし、これだけではない。

 最後彼は捕まり、娘の前で、白い面でもなく、白い包帯でもない素顔を晒す。しかし、なんとその顔も皮膚がただれ、半分が白く変色しているのだ。

 

 だがまだ終わらない。最後の一瞬までがまた凝っている。

 特撮モノよくいる、好奇心旺盛タイプの少年が、ふざけて走り出したところで茶菓子のケーキをを用意していた女性とぶつかり、顔面を真っ白にしてしまう。そして、少年は苦笑いしながら顔のクリームを拭う。

 そして、なんとそこに気味の悪い白い仮面の映像をかぶせて、それを大写しにしたままエンディングテーマとなるのである。



 番組内30分に出てくる「包帯巻きの顔」「犯行時の仮面」「科学者のただれた素顔」「顔面にクリームをつけた少年」「エンディングで挿入される仮面」。



 5つの、白い顔。



 これらが意味するところは……はたして?

 今のところ、残念ながら答えは出ていない。