燃えよ特撮魂! 第4回:ウルトラマンマックス第24話「狙われない街」

 ちょっと急ぎの原稿が入ったりしたので、昨日の話しは無し。

 というか、それより書きたいことが出来てしまったからというのが大きい。



 今朝、なぜか朝早く起きました。昨日寝たのは深夜4時だったのに、あさ7時半に目が覚める。

 うーん。まあ、起きてしまったものはしょうがない。

 土曜の朝は早起きする癖がなかったので、久しぶりにウルトラマンマックスを見てみようと思い、テレビをつけてみた……そこで僕は神に感謝しました。

 丁度OPが終わった最後の画面。「対話型宇宙人 メトロン星人登場」の文字。タイトルも『ウルトラセブン』第八話の「狙われた街」の反対である。



 メトロン星人といえば四畳半とちゃぶ台で陰謀を語る宇宙人として有名であったが、今回もそれはしっかり踏襲されていた。しかも、すばらしい演出が成されていた。



 以下話の筋。

 携帯電話で通話中の人間が急に凶暴化するという事件を追う、隊員と刑事事件として担当していた熟年の刑事。かれらは、事件を調べるうちにその携帯に流れていた電波が原因ではないか? と突き止めだす。

 そのうち、隊員(マックスに変身する人)は怪しい人物を発見し、追う。例によってそれは宇宙人なのだが彼は「もう地球を攻撃する気はない」とだけ述べて、再び去っていこうとする。

 隊員の変わりにそれを追った熟年の刑事は、その人物の正体を知る。

 「メトロンメトロンじゃないか!」 

 そう、刑事は40年前、メトロン星人が煙草に赤い結晶を混ぜて人類を狂わせようとした当時、ウルトラセブンアイスラッガーによって傷ついたメトロン星人を親と共に介抱したことがあったのだ。



 しかし、旧交を温めあうも、メトロンは刑事を突き放し、去ってしまう。

 再び代わりに追う隊員。

 しかしメトロンはやはり戦う意思なく、自分の部屋に招きいれ、お茶まで出す。

 そして彼はとうとうと語りだす。

 「私は40年間、この街に潜伏していた。そこで気がついた。人間は便利な道具に頼りすぎているせいで、どんどん脳が衰えていっている。これなら我々が手を下さなくとも、この星は我々の手に落ちる。先の携帯電話の事件は、ちょいとそれを早めてみようと試してみただけのことなのさ(正確な台詞でなく、内容の要約)」

 

 そうすると彼は唐突に巨大化する。

 やっぱり戦うのか? しかし、彼は巨大化した姿で夕日を眺め「美しい」と述べた後、呼びかけるウルトラマンマックスを無視し、飛来した仲間の宇宙船に乗って地球を離れていった――。



 刑事は真相をしり「出来れば俺も連れて行って欲しかった」と小さくぼやく。そして、

 「いかなきゃな。いくつも事件を抱えてるんだ。……宇宙人なんかより、ずっと厄介だ」

 と最後の台詞を残して去っていく。





 40年という年月で、人間はメトロンの考え方を変えるほど衰退してしまったのかなぁ。

 メトロンが刑事を突き放したのは、別れの悲しさを紛らわすためだったのか。それとも、40年で衰退した人間の一人と認識して切り捨てたのか……。最後、別れの挨拶もなく、刑事が置いていかれているところをみると後者の可能性が高いでしょう。そう考えると、刑事の最後の台詞は非常に泣けます。



 イマイチ最後のちぎれる様な終り方は意味が分らなかったのですが……。

 いやー、しかし上手い。テーマも、あえて戦わなかったというところも。

 マックスは良作と微妙な作品の差が激しいという話は聞いていたんで、ちょっとチェックするのが億劫になっていたのですがこのレベルの話ならずっと見てこうかなぁ。

 あとセブンも見直したくなった。ガキのころBSか何かの再放送で見ただけなので、記憶があやふや。メトロンの回もあらすじをネットで引きなおす始末。うーん。



 しかし脚本は……小林雄二さん? 件のお知り合いの方ですよね、急川さん? ほんとに腕のいいクリエイターさんですねぇ。