大学にて

 しばらくオフラインにいて分ったことですが、現在のパソコンはその価値の多くをネットワークに依存しているということ。

 やっぱり、ネットが繋がってないと不便なことが多い。特に、新聞とかの情報を全てパソコンに依存している人なので。

 また、「あ、ちょっとあれ調べよ」というときに、ネットを開いてググって、なんてことも出来ません。最近はgooの国語辞典とかもあるので、分らない言葉を引くときにも使っていた手前、ネットワークが無いともやもやを抱えます。紙の国語辞典のほうは、漢字辞典や英和辞典と一緒に、水につかっちゃったしなぁ。



 さて予告どおり『ローレライ』の話でもしましょう。

 急川さんには最初の感想としても話しましたが「詰め込みすぎ」というのが正直なところでした。

 いま考えると、それはテーマの競合によって感じたものなのかもしれません。

 男たちの熱いドラマを魅せたいのか、それとも、ローレライシステムとして戦争の道具となってしまった悲劇の少女を描きたいのか。この二つの主題が若干殺しあってしまったのが気になりました。



 前者のような男たちのドラマにするなら、あの回天隊員から配置転換されてきた若造たちを切って、艦長と少女との絆の物語にしてしまえばいい。後者のようにするなら、むしろ艦長らを完全に背景にしてしまえばいい。

 どっちもとってしまった手前、両方の密度が薄くなってしまっているのです。



 最終的に、戦争モノという要素や、最後のシーンで出てくるアメリカ兵との会話からしても、男たちの物語をやりたかったようなので……僕なら若い男たちのパートを削るかなぁ、とか考えてしまいました。これが上手いこと融合していれば、たぶん「あっ」と息を飲むほどの作品になったのでしょうが……。

 こう言うのも、ちょうど直前に僕が長編小説、しかも二つのテーマをどうやってまとめるかを思考錯誤して、規定枚数という尺と戦っていたからでしょう。



 あとは、生かせる部分を切っていたのも釈然としない要素でした。

 ヒロインの少女は歌を歌い、それが、アメリカのソナー員の印象に残るというシーンがあります。しかし、この歌、せっかくのローレライシステムに全く関係ないのです。

 「彼女が歌う。そしてその超音波を用いたソナーシステムがローレライシステムである」とかにすれば、設定的にも整合性が取れ、また「ローレライ」というモチーフが生きるんじゃないかなぁ? とか考えてしまいますが、それじゃ駄目だったんでしょうかね? 

 ただなんとなくの不思議パワーで広域レーダー能力使われてもしっくりこないのです。



 まあ、そもそも第二次大戦の日本軍にあんな変な潜水艦があって、不思議な念力少女の力で戦っているのがファンタジーなんですが……。尺に収めるために、そこを削ったのかなぁ。

 

 と、まあこんな風に言いましたが、近作はなかなか豪華キャスト。

 ゲスト出演に冨野さん、B29デザインに押井さん、絵コンテ庵野さんと続いております。

 これだけでも、一種の集大成的な作品として見る価値はあると思います。

 

 そして、もちろんこういった感想を書きましたが、その映像クオリティなどの面から見ても秀逸な作品ではあるので、お勧めします。



 エリア88に関してはまた後日ということで(汗)。