尊敬するギャグ漫画家

神聖モテモテ王国 1 (1)

小学館
ながい けん

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 尊敬するギャグ漫画家は誰か、3人上げよ。



 といわれたら、僕は第一にこの人を上げるにちがいない。

 特にこの神聖モテモテ王国は僕に大きな影響を与えた人で、こと、この作中に出てくるオンナスキー(本名:深田一郎)の理性的な突っ込みなどは、絶品であり、僕の人格形成に多大な影響を与えている。

 あらすじとしては、大抵このオンナスキーをファーザーと名乗る宇宙人(表紙の奴)がそそのかして、もてようとしては失敗し、ポリスメンに捕まったり、ヤクザに殺されたり、犬に食い殺されたりするというものだ。中盤から、アンゴルモア大王(愛称はアモア)のワナによって殺されるというオチパターンも登場した。

 コレだけ読むと全く分らないだろうが、実際そうなので仕方がない。



 僕がこのマンガを読み始めたのは途中からで、ファーザーと呼ばれる宇宙人が、一体どのようにして現れ、どうしてこういう状況に陥っているかが気になって、単行本の一巻を買った。

 懐かしい思い出だ。

 ここで――この作品が一気に好きになった。



 なんと、彼は何の説明もなく一巻の一コマ目から居るのである。

 これは斬新だった、だがギャグマンガとしては極めて有りだった。  



 ……。

 この人は狂っている。



 ながいけん氏はそう思わせる漫画家である。

 しかし、彼は「理性的に狂っている」のだろうと思う。ギャグのつかみは抑えているし、何より、背景絵の書き込み具合などにもそれは感じられる。ぜひとも連載を続けて欲しかったが、本気で作者が狂ってしまうのでやめたのだろう。良い引き際だった。

 同時期には「マサルさん」など強い作品が数点あったので、残念ながら世間に大きな影響を与えることはなかったことが悔やまれるギャグマンガである。



 ここを見ている方。ぜひとも一読して欲しい。

 が、読むと発狂するかもしれないので注意が必要だ。





 ちなみに。

 第二位としては『清村君と杉小路くんと』『マテリアル・パズル』で有名な土塚理弘氏を。



 第三位としてはエニックスの『四コママンガ劇場』シリーズで、やはり常軌を逸した世界を作り上げていた坂本太郎氏を上げたい。



 ちなみに次点では、『ほかほか戦士チャブダイン』『勇者カタストロフ』などを書き、スパロボのアンソロジーコミックスで、ゲッター1の熱いマンガを描いていらっしゃった牧野博之氏であるか。

 こちらはギャグは面白いのだが、シリアスと両立させ、ギャグマンがと区分けして良いのか分らない作品を書いてらっしゃるので、次点とした。





 急に何を、しかも文体まで変えて、と思われた方も多いかも分りません。



 ですが、ふとギャグマンガが恋しくなる、そんな瞬間がある。

 そう思うこと、ないですか?