カスタム・チャイルド

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メディアワークス
壁井 ユカコ

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 今回は壁井ユカコ『カスタム・チャイルド』を。

 遺伝子操作が、まるで今の医療における麻酔や、ドラッグのかわりなどのように使われる世界で、だらだらと日々を過ごしていた青年の下へ、一人の少女が現れる。

 彼女にはどうやら、いわくがありそうなのだが――というお話。



 読んだ感想として。

 やはり壁井さんは情景描写が上手いのです。人によってはちょっとくどく感じてしまう部分もあるかも分かりませんが、僕は情景描写がヘタなのでいろいろ参考になります。

 また、ヒロインであるマドカの描写も良いです。

 このキャラは、いろいろあって変容を遂げるのですが、その書き分けが上手くできていると思います。

 しかし、その変容の部分でもう少し心理描写の掘り下げが欲しかった気もしますけど……。そして主人公キャラ。何かしら要点でちょっと強めの明確な意思を持ってもらえると、移入し易かった気がします。



 あとお話としては、ある程度オチが読めてしまうのでその辺りの意外性はありませんでした(あるいはそのあたり計算されて作られていたのかもですが)。

 とにかくシンプルに楽しめたと思います。



 ちなみにこれは腐ったパイナップルをくれた後輩an doくんからの借り物です。

 ありがとうan doくん。

 そしてきらいだー。