現在執筆中のもの

 校正講座やDTPの勉強に平行して、いま進めている小説がいくつかあります。

 しかも3つ。うーん、ハード。

 1つは富士見狙いの長編。これの締め切りは8月末日なので、まだ余裕があります。が校正を含めるとそろそろ書き上げ体勢にはいらないとなぁ……。



 で残りは短編2つ!

 しかも1つは初挑戦の「2次創作」です。

 2次創作とは、いわいる既存のキャラクターや世界観をつかった作品で、平たく言えばパロディです。

 なんで、これを書くにいたったのかというと、話は半月ほど前。

 絵師であり常にエロスとタナトスのせめぎ合いを生きがいとしている(脚色)大学OBのDONEさんから「本を作れば、ボクの友達のイベントでついでに置いてもらえるかもー」というお話をいただいたことに端を発します。

 とりあえず創作の場を求めていた僕は即乗りしました。

 それが意外な方向へ。

ヘタレT「ほう! いいですね。イベントってどこです?」

DONEさん「サンクリー」

ヘタレT「まじっすか! でもどこの卓です?」

DONEさん「いや、『鍵』なんだけどね」



 ……。

 鍵? カギ? Key?

 知らない人に解説しますと、某所の用語で「鍵」とはPCソフトを作っているグループの通称。有名な『KANON』や、最近では劇場版・TVアニメなどになった『AIR』、最新作『CLANNAD』(といってももう結構前ですが)などの作品群を出しているところといえばピンと来る方も多いと思います。



 つまりその卓。

 ……どうしよー。

 本自体はオリジナル作品本でもいいらしいのですが、さすがにそれ専門卓では消化を期待できませんから――。



 ……。

 そこで僕が考えたのはデコイ作戦です。

 デコイとは用はおとり。

 つまりそっち系の2次創作1本とオリジナル1本書いて同じ本にすれば、両方読んでもらえるんではないか? というもんです。

 非常に単純明快。

 しかしこれは同時に非常に高度なことでもあります。

 なに同人風情で高度とかいっとんじゃ? と思う方もいるかと思いますが……。実際にはいくつも難所があります。



 まず、僕にとっては未知の2次創作というハードル。

 これは元の作品が強ければ強いほど、本人のネタ力と構成力が問われるようになります。なぜなら、キャラや世界観は既存のものなのでそれらによるインパクト効果を全く期待できないのです。

 なので「いかにキャラや世界観を上手く使うか」という要素の占める割合が非常に高い。1次創作(=オリジナル)とはまた違う思考を使うことになります。

 いや……厳密に言えば1次でも使うとは思いますが、それは連載の後半とか、いろいろが定まってきた上で一味加えるという作業などでしょう。まあ僕らみたいな人間は使わん技能ですねぇ。



 また、2次創作は買う人間が「元の作品が好き」な連中ばっかりですから、それを考慮しなければならないということも大きいですね。





 つぎに、オリジナルのハードル。

 2次創作のついでに読ませなければならないもの、且つ面白いものという条件付です。

 そうするとどういうものが読んでもらえるのか? やはりそっち系の卓なのですから、そっち系の要素が入っていなければならないのか? ではどのくらい? 

 ……等々いろいろ考える必要があります。

 用は客層がはっきりしているぶん、ある程度「狙った」ものを書かなければならないということです。

 これも普段の創作では行われないことです。

 いつもならば自分が楽しいと思うことを、他人に楽しませるように書けばいいのですから(これはこれで非常に難しい)。 



 ……。

 というわけで、今までの創作活動とは違った、状況的に縛りをつけて文章を書く機会として、今回このことをやってみるつもりです。

 多分、プロ作家とかになればある程度必要なノウハウだと思うしなぁ。まあ2次創作はやらないでしょうが。



 しかし、ただ売ることを考えた場合。

 僕をときどき邪念が襲います。



「どうだい……エロなら売れるよ」

 えーい、悪霊退散!