ボートームーズー
ボトムズとは、もちろんあの名作『装甲騎兵ボトムズ』のことです。
近所のレンタルビデオ屋で借りて、24話くらいまで見ていたのですが……そのレンタルビデオ屋、見事にボトムズ7巻だけ抜けていて、続きが見れずにいたのです。
他のレンタルビデオ屋に行くという手ももちろんあったのですが、その店は他の品揃えも豊富だったので、ボトムズの1巻分のために別のカードが増えるのも微妙な気がしまして。
今回急に見る転機になったのは、昨日そのレンタルビデオ屋の前を通りかかったことです。最後は、去年の秋終わりくらいにのぞいただけだったので、ふいにふらりと行ってみたくなったのですが――。
……。
潰れてました。見事に。
で、そうなってみると不思議なもんで、見残していたボトムズの続きがどうにも気になって気になって仕方なくなりまして。
別に、それほどあのレンタルビデオ屋に愛着があったわけでもないのですが――やはり1人暮らしの土地で、自分にひと時の楽しみを与えてくれていた場所が消えるということは、やはりちょっとショックであることは確かですね。
それが、僕の心のどっかに作用したんでしょう。
よく考えたら『帰ってきたウルトラマン』や押井守氏の名作である『人狼』に『ghost in the shell 攻殻機動隊』、白黒ガメラの傑作として名高い『ガメラ対バルゴン』などもそこで借りて見ていたのだなぁ……。
そんなわけで、小説の直しがあることも忘れ、帰り道にわざわざ遠回りして、あたらしいレンタルビデオ屋でカードを作り、続きを借りて来ました。
そして――そんなひとかけらの物悲しさと、ちょっと不思議な感情を味わったあとの情緒感とともにビデオの再生ボタンを押して、1発目のシーン!
密林で大蛇に追われるカン・ユー大尉殿。
肩に食いつかれ「ヒェェェェー!」。
その叫び声で、敵のゲリラ兵に気づかれるカン・ユー大尉殿。
銃撃を受けて「うわぁぁぁー!」。
……。
…………。
大好きだカン・ユー大尉!
ありがとうカン・ユー大尉!
あなたは、僕のどうでもいい日常の中に生まれたちょっといい感じの想いに、確かなオチをつけてくれたよ!
ル・シャッコーに代わり言ってやる。
お前は人間のクズだ!(注:褒め言葉)
というわけで、ボトムズ知らない人にはなんのことやらまったくわからんお話でした。