塩の街

塩の街 塩の街

著者:有川 浩
販売元:メディアワークス
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 雨と安定しない気温と湿度により、風邪ひきました。はい。
 それでも、はいずるように品川へ向かい、更新運転免許をGet。
 有給休暇をとったら、できることをしないともったいないしねー。とか思った瞬間、帰ってきて再度ぶっ倒れ、目を覚ましたら午前一時という有様。幸いにして、熱とだるさはひくも、明日の仕事に響くなぁ。

 ちなみに、昨日午前一時半に眠り、出勤時間に一度目を覚まし、欠勤の旨の連絡を入れて再度眠り、午後一時に再度起きて運転免許試験場へ。四時半に帰ってきて日曜に録画した「水曜どうでしょう」最新作を見てからまた眠って起きたので……考えてみれば一日の半分以上ねてますねぇ。どんだけ睡眠が好きなのかと。というか、一回で熟睡できないから、その分時間を寝ないといけない身体になっているのだろうか。やっぱり、医者行くべきかなぁ。


 まあ、そんなことはともかく。
 有川浩塩の街』です。
 一度電撃の大賞作として文庫化されたものを再編し、ハードカバーにしたものです。
 
 ジャンル的には……ライトSFでしょうか。
 いや、個人的にはかなり面白かったです。やや後半急展開なのと、最後のヒロインの無茶というか、無謀な行動は少々気になりましたが……女性作家さんとは思えない、恐ろしいまでの自衛隊に関してや軍事の知識に裏打ちされた物語は、かなり好印象です。最後の作戦にF-14爆撃使用型ボムキャットを使うあたり、かなりコア。

 あと構成が、結構新鮮でした。
 最初の二部を短編完結の形にし、それを伏線に生かしつつ後半戦に持っていくという形式をとっています。前半で、異常が起こった街を小さな世界で描き、後半で一気にそれをひっくり返す話になる。この構成が、後半急ぎすぎという印象を与えるんだと思うのですが、作品へのよい「引き込み」にはなっています。後に起こることの伏線としても十分に機能しているので、素直に上手いな、と思わせる構成ですね。

 文庫以降に連載された短編4作も収録されていますが、こちらは――面白くないわけではないですが、少々蛇足気味という気も。後日談は確かに気になる本編ですが、あえて……というのがあるので。

 実は必見なのはあとがき。「文庫化に当って編集にここをカットされた」などといろいろな暴露話になっていて、小説書きの視点と、編集として本を売る視点というギャップを垣間見ることができます。

 久しぶりに、いい小説を読んだなぁ。
 そんな気分にさせていただきました。