俺式アニメレビュー最終回! ベスト3発表!

というわけでいきます!
イチオシ3作一挙紹介です!

第3位:魔法少女リリカルなのは
原作 都築真紀/ivory
監督 新房昭之
脚本 都築真紀
キャラクターデザイン 奥田泰弘
アニメーション制作 セブン・アークス

 というわけで第三位は「無印なのは」でございます!

 従来の魔法少女モノの流れを踏襲しつつ、少年漫画のノリの魔法バトル、杖からメガ粒子砲のごときビームを放射するところから魔砲少女モノと揶揄されるほどの異色作でした。
 全13話ながら、最終決戦を12話で終わらせ、エンディングとして丸々最終話を使う贅沢さ、そして途中少々くずれはあれど、一話の無駄に高いクオリティに始まり、「ガンダムSEEDと交代しろ」とまで言われた躍動感あふれる戦闘シーンは、秀逸です。
 また、原作者である都築真紀氏が直接脚本を書いていることもあって、物語の安定性もぴか一です。

 おしむらくは、ドラマCDと、そして都築氏が書いている小説版で、いわゆるラスボスであるプレシア・テスタロッサの背景情報を補完しないといけないこと。ドラマCDを聞いている人、小説版を読んでいる人によって作品の見え方が変わってしまったりするのです。
 「なのは」シリーズ作品に共通することですがドラマCDおよびメガミマガジン連載のコミックなどマルチメディア展開によって、作品の背景情報を補完するという方式が顕著化しており、アニメ作品単独としての完成度は、高水準ながら一歩及ばないところがあります。
 
 とはいえ、原作は美少女ゲームかつ、U局放送で3期目を迎えるという作品は前代未聞の快挙であり、この達成は、客観的にみてもこの作品が評価を受けているという証明でしょう。
 「萌え」アニメに抵抗がある方でも是非見ていただきたい作品です。

 先に触れたとおり、シリーズ続編として「A's」と現在放送中の「StrikerS」がありますが、後者はまだ3話しかやっていないので判断保留。前者は、今までのレビューのとおり、おもしろくはあれどやや荒削りで問題点も大きい作品だと思っているので、今回は選外としました。なのはでレビュー埋め尽くすわけにもいかないですしね(苦笑)。

 何気に監督は、ぱにぽにだっしゅと同じく新房さん。
 コレ以降のシリーズは変わってますが……。

第2位:コードギアス反逆のルルーシュ
ストーリー原案:大河内一楼 谷口悟朗

 第2位! ここでコードギアスに飛び込んでもらいました。
 昨今稀に見るリアルロボット+知略戦モノ。
 端から語るとキリがないくらいの情報量を、上手くまとめ、テンポよく展開していきました。各所に張られた伏線、キャラクターや組織のリアリティのある動きは、昨今類を見ません。ただ、見る人によっては展開の速さについていけないという意見もあるようです。そういう意味では総集編を挟んだのはむしろ有効だったかもしれません。タイミングとしても上手い位置にもってきたと思います。
 本当にスミからスミまで技巧の塊! と言えるでしょう!

ルルーシュの善を成すための悪
・スザクの病的な善への執着
・シャーリー、ユーフェミアの悲劇
・オレンジの「全力で見逃せ!」
 
 等々、語り始めればキリがないので、まあ、簡潔に。

 また、商業的にも上手くメカファン層、ボーイズラブ層、軍事マニア層、美少女好き層など様々な部分のヲタクたちを引き寄せつつ、普通の人にも十二分にわかるだけのドラマを展開して、多くの視聴者を確保しました。

 なにせ僕DVDをそろえようと思わせたのは、この作品が初。
 そのDVDセールス枚数もエヴァに並ぶ勢いという情報もあります。
 歴史に名を残すアニメとしての一歩を確実に踏み出した作品でしょう。

 ただ、残り2話+2クールということもあり、今回は惜しくも2位となりました。
 今後の展開に期待です。

 そして、栄光の第1位は!

第1位:攻殻機動隊S.A.C.
原作:士郎正宗
企画:石川光久、渡辺繁
監督、シリーズ構成:神山健治
脚本:神山健治、藤咲淳一、櫻井圭記佐藤大、菅正太郎、寺戸信寿

 というわけで第1位は攻殻機動隊S.A.C.です。
 やっぱゴーストがささやくこいつでしょう。
 
 改造人間やロボットなど超科学的な作品が多い日本において、案外に少ないのが「超科学が一般化している『社会』を描いたもの」だったりします。ロボット物SFにしても、ガンダムしかりボトムズしかり、結局一種の特異な能力を持つ人物を主軸に物語が進んでいく形で「社会」には結局触れられないことが多いです。

 これは、恐らく「特異な設定≒キャラクター個性」で物語のソースとするという、一種の風潮というか、そういった部分があり、且つ、単純にそのストーリーソースを用いると、世界の細かい部分まで書き出している余裕がないからだと僕は思います(ガンダムなどはそのあたりあるにはありますが、ほとんどがいわゆる後付け設定というやつで、アニメそれ自体はどうかといわれれば、答えはNoでしょう)。

 そんな中で、高度情報化・機械化社会を描いた『攻殻機動隊シリーズ』、中でも、そのタイトルが現すとおり社会がもたらす現象を描き出したテレビシリーズ一作目『S.A.C.』は非常に意義深い作品に仕上がっていると思います。一話完結の刑事ドラマ方式をとっていたこともあり、このあたりを描くことが可能だったのでしょう。

 多脚戦車との激突と、その開発者の意思、企業の思惑が絡みあう第二話「暴走の証明」。アンドロイドの集団自殺と一人のアンドロイドを愛してしまった男、そして意味深な台詞を残すアンドロイドと、攻殻ワールドならではのミステリアスを描く第3話「ささやかな反乱」、ひたすらチャットのみで話が進むという異色の第9話「ネットの闇に棲む男」、もろもろの事情で地上波放送が見送られた第10話「密林航路にうってつけの日」など。
 そして、後半の笑い男の深層(誤変換でなく!)に迫っていく物語。
 どこを切ってとっても、深い社会背景と、人物の動きが見られます。
 
 僕がこの攻殻で好きなのはなんといっても「リアルな世界」に立った「リアルな人」です。
 攻殻機動隊は、この二つをばっちりと仕上げた、名作と言えるでしょう。

 アクション・作画安定度も抜群。どなたも是非一度は見ていただきたいです。
 しいて欠点を挙げるなら、この異色さ故に、サイバーSFや設定読みが出来ないとややとっつきにくい部分がある――世界を把握して、どうすれば何が起きるのかを理解できないと楽しめないところでしょうか。

 しかし、一人一台パソコンを持つ現代。
 攻殻の世界は案外遠いものではないかもしれません――。

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 以上、ランキングでした!
 大体僕のブログで過去暑苦しいまでに語っている作品なので、やっぱり丸分かりですよね(汗)。
 次回の考察は、今回のランキングに見る「僕の名作」作品傾向分析かなぁー。

・今回の選外コレ一本!:らき☆すた
 まだ二話しか放送してないですけど……(汗)。
 とりあえず、二話のエンディング曲が、ヒロイン泉こなた(CV:平野綾)が熱唱するアクマイザー3だった時点で、今後見ていくことが確定しました(笑)。
 OPのダンスは角川の流れ≒ハルヒの流れなのは明白ですが、単純にテンポいいのでそこもお薦め。