ノエルリプレイ3巻目

ノエルと白亜の悪夢—アリアンロッド・リプレイ・ルージュ〈3〉

 例によってネタバレ注意。

 なんか、たまたま立ち寄った本屋で買っちゃいました。
 しかし、いや、いいねトラン。というかクレバーさん。
 TRPGって、かっこよさとか、雰囲気とか追求すれば面白いモノはいくらでも出てくるんだけど、それの中で僕にとって最も価値の高いのは「死に様」だったりします。

 ロングソードをふるってゴブリンと立ち回る。俺によし。
 誰かと力を合わせて、苦難を乗り越える。おまえによし。
 英雄の力をもって奇跡を起こす。うん、よし。
 
 TRPGってそういう部分を現実では起こり得ないことを疑似体験させてくれるんです。

 でも、
 ひょっとしたら、ロングソードの実物を振る機会はあるかもしれません。
 ひょっとしたら、力を合わせられる仲間と何かを成し遂げることができるかもしれません。
 ひょっとしたら、英雄とは行かないまでも、奇跡に近いことができるかもしれません。

 でも、自分が死ぬことは1度しか出来ず、しかもそれでそれっきりです。
 実は死ぬって、一番身近にあって、絶対経験できないことの1つなんですよね。
 だから、僕はゲームの中のキャラクターの死ってのが、すっげー面白く感じてます。

 TRPGは擬似的にとはいえ、死ぬことができる。しかも自分好みに格好良く死ねる。
 僕が死にたがりゲーマーなのは、その辺りがあるのかもしれません……。

 ともかく、本作のクレバーさんは見事にその、カッコいい死に様を演出してくれました。
 そして、周りのPLたちもそれに呼応するロールプレイを見せました。
 アリアンロッド……というかFEARゲー全般に言えることですけど、カッコいい俺様最強のメタ数値ゲームになってしまいがちです。が、やっぱりそれは遊ぶ人によりけり。シーンと物語の盛り上げがわかっている人が集まれば、すっげー面白くなるって思えます。
 FEARゲーって、こうやって遊ぶのが多分一番面白いよなぁ。
 と、そう感じさせるリプレイに仕上がってます。

 でも、きくたけさんよ。わすれちゃいないぜ。
 確かトランは運命かなにかで「復活」振ってただろ。
 次回再生怪人になって戻ってくる展開は見えているので(笑)、もっと意表をついて欲しいですな。
 たとえば、敵になって出てくるとか。別の生き物に再改造されてるとか。

 あと、ノエルこと力丸さん。相変わらずいいキャラしてらっしゃる。
 萌えー。

 これは龍乃恩氏に貸して差し上げると喜ぶかも……。おっと私信になってしまいました。

 ともかく次かその次で終りとのことなので、続きを期待するとしましょう。