ブロッケンブラッド

ブロッケンブラッド

少年画報社
塩野 干支郎次

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 というわけでDANDAN借り物消化。

 今回はDONEさんからお借りしたコレを。

 えー、結論から言えば、馬鹿で面白かったです。

 とはいえ……うーん、イマイチかな。という印象も拭えません。



 話せば長くなりますが、これをお借りした当時僕は、某小説賞の応募作品として「魔法少女だけど男」というのをやってました。その参考としてお借りしたんです。



しかし、僕がその「魔法少女だけど男」をやるときに完全にタブーとしていたことがありました。

 それは、





 絶対に『女装ネタモノ』にはしないこと





 でした。 理由は二つあります。

 一つ目は「僕はこの女装ネタものというのが生理的に駄目なようだ」ということです。いささか極端に感じられるかもしれませんが、某K宅で「プリンセス・プリンセス」(アニメの)を見たときも、気分が悪くなるところまでいきました。

 今だから言えますけど大学の学園祭で、女装コンテストの話を振られたときは冗談だとわかっていても、マジで殴ってやろうかと心の中で思ってたくらいです(苦笑)。

 何で女装モノがだめかという自己分析は済んでいるのですが、メディア考察から離れてしまうのでまた別のときにでも。





 で、二つ目。 これが僕の中で非常に強いのですが「女装ネタ」という一種の性的なものが絡んだネタ――おおきな枠でくくれば、これもシモネタの部類に入ってしまうのでは?――を使いたくなかったのです。



 ネタ劣化も早そうだし、僕みたいに苦手な人は本当に苦手だから敬遠する。

 そして、どうしても「女装する男」というギャグ軸に引きずられてしまうので小説での起承転結を構築するのが難しくなってしまう(ギャグ短編ならまだしも長編小説というのはどうしてもシリアス→ギャグの波が必要になってくるので、その中でやるには手に余るネタである)ということ。



 以上2点ため、僕はこの方式をとらず「普段は意識の中だけに存在し、いざ戦うときだけ主人公の肉体を寄り代に自らの身体を実体化させる」という方式を取りました。

 ようは、蒸着! みたいなもんです。



 が、結果は見事に落選。まあシリアスに寄りすぎたのが敗因ですか。



 ともかく。  この『ブロッケンブラッド』はこの僕の持論を実践して見せてくれたものという意味では非常に参考になりました。そういう意味では非常に面白かったですね。

 やはり一話完結形式になっており、お馬鹿ギャグ路線。

 そして話を継続させるために、女装衣装を変える――女学校に侵入する、ナースになる――等のネタを繰り返す形になっています。

 てこ入れの変態さんも多く登場します。



 で、先に述べたとおり女装ネタを好まない僕には敵の頭の悪さが面白い以外、あまりピンとくるものがない……と。



 絵は好きなほうですし、コマの使い方などもとくに気に障らなかったので、今後「ネタの尽き目が客の尽き目」にならないことを祈りたいモンですが……。

 難しそうですなぁ……。