ある日、爆弾がおちてきて

ある日、爆弾がおちてきてメディアワークス古橋 秀之このアイテムの詳細を見る




 後輩かわじくんのブログでもかなり優良本と紹介されていたので。そして短編集なので通勤時読むのに丁度良かったので購入。

 

 内容は……あとがきを読んでいただければわかるのですが、それぞれ「特殊な時間軸」「ボーイミーツガール」をテーマに書かれた短編が7編、そろってます。



 しかし、短編小説という形態の為、詳細は記しません。

 というのも、短編小説ってあらすじ書いちゃうと完全ネタバレになるというか……なんというか……。



 コレは感覚的なものもあるんで説明が面倒くさいのですが、つまり、短編小説に詰め込める活字分量はそれほど多くないので、必然と詰め込めるテーマとか物語とかはしぼられてしまう。つまり「一発のネタを、どれだけ切れ味良く魅せるか」ということに技術が集約されてしまうわけです。本書あとがきの作者古橋氏の弁を借りるなら、



 『「おっ」と思う場面を切り出していく形になる』



 といったところでしょうか。

 そうなるとあらすじにそって解説するのは作品の面白みを削いでしまうんじゃないかなぁ、と思うわけです。というわけで、今回は解説なしということで。



 まあ、そんな理論はともかくとしても「時間がないけれどもちょっと活字を読んで楽しみたい人」にはもってこいの一冊です。読後感もいい作品が多いし、買って(とある事情により、ここ重要)読んでみてください。それだけの価値はある一冊と思います。

 



<ここからは読んだ方向け>

 ちなみに、収録作の中では、個人的に「おおきくなあれ」や「出席番号0番」、あと「三時間目のまどか」が好きかなぁ。表題作「ある日、爆弾がおちてきて」や「恋する死者の夜」「トトカミじゃ」はちょっとベタ過ぎるというか、もう少し斬新さが欲しかった気がする。



 書き下ろし「むかし、爆弾がおちてきて」は雑誌(電撃hp)連載で先6編を読んでいたらもうちょっと評価が変わったかもしれないけど、ただ文庫としてオチをつけるための作品にも見えてしまって、少々中途半端な印象。



 しかし、ナチュラルに「ガラモン」という単語を入れても今の読者はわかりませんよ、作者様。