最近の流行に一巻分乗ってみた

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 というわけで、今度はげんかつぎに購入。

 そもそも、もともと興味があったので。

 

 まあ、ある程度有名なラノベなので、あらすじは語るまでもないだろう。



 というか、あらすじを語るとクソ長くなる上に、用語の説明が面倒くさいのだ。……と、そう感じるほど用語が多く、分りづらい。一応概念は分るし、世界観として奥行きがあるのも分るし、なにが起こっているかも理解はできるのだが「あれ、この言葉は何を指してるんだっけ?」と戸惑うところも大きいのもまた事実だ。

 で、もともと連載を前提に作った話なためなのかもしれないが、主人公悠二の状況把握能力が向上していく点、またシャナが悠二に対して好意を持っていく課程がいまいち段階を踏んでいないように見える。どうしてこいつらこう考えるんだ? という疑問符が頭の中で浮かんでしまう。

 

 という感じで、やや置いてきぼり感を受けたため、今のところいい印象を受けていない。続巻を見ればまた何か変わるかもしれないが……。もう十数巻まで出ているわけだし、そのあたりでいろいろ変わってきたんだろう、と予想。





 で、ふと思ったこと。

 既に死んでいて、消滅までいくばくもないが何か能力を持っているらしい主人公悠二と、それを狙ってくる敵のために悠二を利用する、使命をもった剣使いの少女――。

 勘のいい方はお気づきだろうが、この設定、性別をひっくり返すとそっくりそのまんまとはいかないまでも『牙狼』の設定ににている。もちろん、発行その他を考えると『シャナ』が先発であり、別にパクリだうんぬんなどと思っているわけではない。

 ただ、性別を反転させただけで、ここまで違うものになるのか――と感嘆している自分が居る。まあ、狙っているものも違うので当たり前なんだけども。





 しかし、シャナアニメはそういう意味で非常に間が悪かったと思う。刀使いの少女というのは『BLOOD+』とかぶっているし、先に述べたように設定的には『牙狼』とも被っている。同じような主人公巻き込まれ型能力者モノでは『Fate』もあることだし、もう少々ずらしていたら……という感が否めない。が、電撃文庫的には脂が乗っている時期なので、仕方なかったんだろう。うーんメディアが乱立するとこういうことがあるから……。

 



 あと、この作者さん。ラノベなのに大分文体硬いよなぁ。

 実は最近の有名ラノベ作家さんは文体がやや固めの人が多い気がする(これも続編読まないと分らないけれども)。他には谷川流氏とか、浅井ラボ氏とか。

 でもしっかり読者がついてくるということは、ラノベの売れ行きは、やっぱりキャラとその絵によって決まってしまうもんなんだろうか?



 まあ、いろいろな意味で考えるネタを与えてくれた一本だった。