魔法少女リリカルなのはA’s第12話 

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 画像は再びDVD1巻のもの。

 金さえあれば買いたいが、2期はVHSにもとってあるので、先送りになりそう。しかし、流通が早い世界だし……うーん。



 てなわけで12話です。ややネタバレ含むので注意。



 とりあえず流れは大方予想の通り。騎士全員復活の、はやて変身。

 全員の連携で暴走した防御プログラム(デビルガンダムorヴォルクルス)を撃破。といったところ。



 感想からすると、面白いですね。非常に。

 とはいえ、この12話は今まで保ってきたものを全てぶっちゃけ、なのは流に言えば「全力全開」でカタをつける話なので、つまらなく作るほうが難しい話といえばそう。だから、これはある意味で当然ともいえるでしょう。

 一応馬鹿みたいにつまらなくする方法を考えてみたりしたのですが「つまらなくなる」より「作品として崩壊する」方が先だという結論に達しました。



 さて、で、今回の流れでようやく完全に今期『なのはA's』がやりたいことが見えた気がします。



 僕はこの作品に関してレビューを書くとき「面白いんだけど、なんかもやもやする」ということを繰り返し言ってきました。展開にいたる理由は分るのですが、それに関連するシーンの描写が足りないせいで、いまいちテンポに乗り切れない。なんというか自分の中で「盛り上がっている」という自発を促されているのではなく「盛り上げさせられている」という妙な感覚を受けるのです。



 んで。

 実は過去に視聴してきた作品の中で、この「面白いけどもやもや」に似た感覚を与えてくるものがあったことを思い出しました。

 

 その作品とは『勇者王ガオガイガーFINAL』。テレ東でやってましたね。

 

 この作品は、基本的にテレビ版の続編ということで、ソール11遊星主相手にドンパチ繰り広げるということですが、この作品も「困難」→「なんとか新技やギミックで対抗」→「更なる状況の悪化」→「何とか対抗」という流れを繰り返すことで勢いを持たせ、話を続けていった作品です。

 そのため、後半になるにつれてご都合的になり、展開は熱いんですがそこに行き着くまでの積み重ねがないので乗り切れない話になっていきました。



 もちろんストーリーラインや主題その他は『なのは』と全く異なるのですが、この話の進め方はかなり近いものを感じます。

 つまり今回の『なのはA's』は『無印なのは』の前提をそのまま持ちつつ、あの作品にあった「熱い勢い」の部分を一気に巨大化させたという意味で、『無印ガオガイガー』→『FINAL』と同じ作り方になっているのでは? と。





 で、ここからがミソなのですが、製作陣、とくに脚本の都築氏はこのことを意図して、つまり「戦闘や展開の勢いで、ある程度移入のための描写が減ること」を考慮に入れた上で、あえてそのリスクを犯しつつこの形に作り上げた可能性が極めて高いということです。

 『ガオガイガーFINAL』のような形に整え、それが視聴者に与える効果を計算して作っているのです(むしろ『なのは』流『ガオガイガーFINAL』を目指したのかもしれませんが)。



 僕がそう感じた理由は、なにより仮面の男(中身ロッテ&アリア)に『ガオガイガー獅子王凱役の檜山さんを起用したことです。

 僕のなかで、このキャスティングはイマイチ不自然な気がしていたのですが、この僕の仮説が正しいとすると、ある程度つじつまが合うのです。



 ではなぜ仮面の男は仮面をつけていたのか? なぜあの仮面を序盤での悪意の象徴として描いたのか? 



 こういうさらに掘り下げられそうな点が出てきますが、それはグレアムたちに与えられているであろう最終話のシーン(いや、いろいろ解決すべき事象もあるのでサクリファイスされているかもしれませんが)を見てから改めてコメントをするとしましょうか。



 さて、そんなわけで、この考察(まあかなり想像の域を出ませんが)が正しいとすれば、今回の『なのはA's』は製作陣の意図がばっちり反映され、且つ多くのファンに認知されるようになったという意味で大成功作であると言えるでしょう。

 うーん、「需要のあるところにばっちり供給。それが商業のジャスティス!」という都築氏の弁は体現されたわけですなー。



 とはいえ『無印なのは』の流れが好きだった僕としては一抹の悲しさもあったりするのですが……。



・追記

 あ、そういえば結局アリサ&すずかは生きなかったなぁ。 あの二人好きなのに。正体バレネタを引きずりたくなかったんだろうか?

 そもそもなんで結果内にいたのかも説明部足気味なんだよなぁ……。



・翌日さらに追記

 コピペしたとき最後の一文を選択しそびれてた……(汗)。

 

 つーわけで、追加。

 この文章は深読みしすぎな部分があるので、あまり本気に考えないほうがいいかと。