天国に涙はいらない3
天国に涙はいらない (3) メディアワークス 佐藤 ケイ このアイテムの詳細を見る |
さて例によってうどん狐くんからの借り物。
というか、借り物は徐々に消化しないと、卒業したら返しにくくなるからなぁー。というか『ぱにぽに』も全巻借りっぱなしという始末だし。
今年中には返します。漫画版は神様出番少ないし(オイ)。
と、脱線しかけましたが『天国に涙はいらない』です。
しかし、この佐藤ケイ氏、僕の周りではイマイチ文章的に優れていないとの評価が多いのですが、僕はあんまり感じません。というか、文体は個性だと思っているところが多々あるので、ある程度作品として収まりがよければ、僕はあまり文体を気にして読まないたちです(流石に泉鏡花には苦戦、いや未だ苦戦中ですが)。まあ、これがある程度創作に影響与えてるのかなぁ。硬い硬い言われるんですよ、僕の文体は。
おっと、また横道にそれた。
今回の話は、まあ巫女少女みき登場。
兄の敵を探している時点で、話の流れはあっさり読めた。
あとはどうそれを盛り上げるかでしたが、アブデルさまの大活躍で終わってしまったなぁ。いやー、大天使が巫女にもっともらしいこと言ったら、それで終了ですよ。というか、みきも結構自分で盛り上げて自己完結してる感じだし……。
主人公の賀茂はタッチしたようでタッチせず、といったところ。イマイチ盛り上がらない。もう一ひねり欲しかったか。
しかし、巫女が鬼になるという発想はそれなりに斬新でした。とはいえこの人は原典をほとんどあとがきで語っているので、まあその点にはあまり突っ込まんでもよいでしょう。
3作目というのは案外作家さんの商品売れ行きに関してのボーダーらしいので、今後の巻に期待するとしますか。
さて、余談ですがこの話を読んで「鬼になるということは、自分の中の鬼を殺すことだ」という斬鬼さんの名台詞を思い出しました。
そういえば斬鬼さん……なんか朱鬼さんの弟子っぽい呪術的なことしたけど、このあとも師と似たような運命を辿るのでしょうか?
そして轟鬼は――。
うーん、井上敏樹脚本の本領が出てきましたねー。
さて、彼は斬鬼さんにどのような死をあたえるのでしょうか? 期待してみましょう。
あれ、最後は響鬼の話題で終わってしまった……?