氷川へきる:『ぱにぽに』シリーズ

ぱにぽに 1 (1)

スクウェア・エニックス
氷川 へきる

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 さてSWのネタばれ感想を下げるためにも、ここは一つ最近読んだ本の紹介を。

 

 今回は氷川へきるぱにぽに』です。

 ギャグマンガを作るうえでのお約束要素を、むしろ逆手に取ったような女の子ギャグマンガ作品。

 たとえば、自分のキャラに嘆く女生徒などが大量に。

 3回に1回くらいはキャラ性云々の話が出てきて、ある人物のキャラが急に変わったりする。あまりにもあまりなキャラ付けのキャラクターが多いので、主人公であるレベッカ・宮本(十歳にしてMITを卒業した天才少女で、特例高校教師)が、むしろキャラが薄いほうに属するという状況。

 キャラキャラうるさい文章になってしまったが、それくらいにギャグマンガの住人がギャグマンガであることを理解し、あらゆる不条理な展開に奔走しながら生活している様は圧巻。



 かなり作者の思いつきで進んでいるマンガだといえるでしょう。

 もはやここまで来るとすがすがしいくらいです。





 ちなみに僕の好きな分野でもある、妙な生き物も多数輩出。常にネガティブなウサギ「メソウサ」。常にネガティブな両生類「オオサンショウウオ」など、ネガティブな人しかいません。



 そんな中での一押しは「神様」というキャラです。

 ちよ父に目の部分がよく似た生き物で、自分のことを神だと主張します。

 やることは「自動販売機の中に棲み、飲み物を自分の体温で温める」ことという奇天烈ぶり。僕のツボジャストミートです。

 TVアニメ『ぱにぽにダッシュ』では、校門でワームホールを開き、メソウサを現世から放逐するなど、その怪しさには磨きがかかっています。



 しかし、残念なことに5巻以降ぱったりと姿を見せなくなってしまいます。

 きっと氷川氏のネタが尽きてしまったんでしょう。



 カムバック! 神様! 

 あとぬいぐるみを出して欲しい……。