シルミド
『楽しい裸族』の原稿編集の傍ら、日曜洋画劇場『シルミド』を鑑賞。過去に起こった「シルミド事件」という歴史的事実を描いた作品です。
感想。
良く分からない。
というのも、ところどころ説明不足。描写の不明確からキャラクター性にいたるまで、どれをとっても中途半端で意図を取るのが難しい作品だったのです。
多分、一度見のひとの多く(僕も含め)は「ふーん、韓国で昔こういう事件があったのね」程度の感想しか持てないでしょう。
同時に既にこの作品を見ていた先輩の扶桑館さんからいろいろ教えてもらいつつ考察してみたところ分かったのですが、これはそもそも日本人、つまり外国人が見るようにできていないのではないか? という結論に至りました。
『シルミド事件』そのものは先に韓国でおこった史実であり、その知識と、その事件に韓国の人がどのような印象を持っているかということが前提となって作られているのです。
つまり、対照を韓国人に絞って作られた映画なのです。
エンターテイメント性よりも、歴史を人々に印象付けるための楔としての役割が強いということになります。
日本で言うところの「突入せよ! 浅間山荘事件」などでしょうか。事件の背景という情報、そしてそれを人々がどう認識しているのかがわかって、はじめて見れるものになる、と。
例えばこれがアメリカなどで上演されても、良く分からない作品として認識されるでしょう。それと同じですね。
じゃあ、何で『シルミド』は日本で放映されたのでしょうか?
マスコミとかが適当に煽ったのかなぁ?
その辺りの説が有力そうですが……。